【開催報告】民藝百年・記念シンポジウム

「民藝」の言葉や思想の誕生から100年という節目を記念し、「民藝百年 松本でつむぐ、ひと・もの・こころの未来」と題した記念シンポジウムが開催されました。

本イベントは、松本民芸家具や工芸の五月、クラフトフェアまつもとなど、民藝の精神と豊かなものづくり文化が根付く松本の地において、民藝の現在地と未来像を多角的に議論・再考察することを目的としています。会場となった信毎メディアガーデン1Fホールには、地域のクラフトファンやものづくりに携わる人々が集い、民藝思想の現代的意義について考えを深めました。

基調講演を行う鞍田崇さん
チケットは即売り切れとなりました 熱心に耳を傾ける皆様

シンポジウムでは、明治大学理工学部准教授の鞍田崇氏、松本民芸家具代表取締役社長の池田素民氏、そして松本市美術館館長の小川稔氏が登壇し、専門的な知見や現場での実践に基づいた議論が展開されました。

明治大学理工学部准教授の鞍田崇氏、松本民芸家具代表取締役社長の池田素民氏、そして松本市美術館館長の小川稔氏

最初の論点として、松本における民藝の歴史的足跡と地域文化の再確認が行われました。戦後の松本において三代澤本寿や丸山太郎、池田三四郎らが築き上げた民藝運動の基盤と、それが現代の松本の「クラフトの街」としての魅力にどのように繋がっているかが紐解かれました。

続いて、現代生活における「用の美」の捉え直しと、手仕事の価値について意見が交わされました。大量生産・大量消費が定着した社会やデジタル化が進む環境の中で、職人の手わざや質の良い生活道具を大切に使う生き方が、人間の心豊かな暮らし(ウェルビーイング)や持続可能な社会にどのように寄与するかという視点が提示されました。

さらに、次世代への継承と「これからの100年」に向けた展望が議論されました。伝統的な技法や精神を単に守るだけでなく、時代の変化に合わせて若い作り手や地域のコミュニティとどのように結びつけ、持続可能なエコシステムとして進化させていくかという課題意識が共有されました。

本シンポジウムを通じて、松本という土地に根付く民藝の精神は過去の遺産ではなく、これからの地域社会や暮らしの質を高めていくための実践的な指針であることが再確認されました。市民や作り手、行政や研究者が一体となり、手仕事の価値を未来へ紡いでいくための対話と実践の基盤が築かれた意義深い機会となりました。

会場の様子
記念シンポジウムの録音はこちら

・第一部:開会あいさつ / 基調講演 →

・第二部:トークセッション / 会場からの質問 →

※鞍田崇氏のインスタグラムで紹介されている録音リンクへ移動します

タイトル:民藝百年・記念シンポジウム

・開催期間:2026年1月31日(土) 13:30~
・主催:信濃毎日新聞社
・共催:東アジア文化都市2026松本市実行委員会
・会場:信毎メディアガーデン1Fホール
・参加者数:約200

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次